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オーストリア ヴァッハウ渓谷を満喫しよう!

もわりー

オーストリアのウィーンから、少し足を伸ばして観光したいと思っている方に、ぜひおすすめしたい場所があります。それは、ドナウ川沿いのヴァッハウ渓谷です。

ドナウ川クルーズに乗って、ブドウ畑が広がる景色を堪能したり、趣のある小さな田舎町を歩いて、ショッピングを楽しみながらかわいい教会の前を通り過ぎたり、立派な修道院に足を踏み入れてみたり。

天気が良い日には、テラス席のテーブルでヴァッハウ産のワインを飲みながら美味しいお食事を楽しんで、古い城塞までハイキングをして、歴史を感じてみたり。

そんなステキな時間を過ごせる場所に行ってみませんか?
今回は、魅力あふれるヴァッハウ渓谷をご紹介します。

1 ヴァッハウ渓谷ってどんなところ?

ヴァッハウ渓谷は、オーストリアを流れるドナウ川沿いのエリアのことを言います。

ドナウ川は、なんと10もの国の間を流れる長い川なのです。
ドイツから始まり、オーストリア、スロヴァキア、ハンガリー、クロアチア、セルビア、ブルガリア、ルーマニア、モルドバ、そしてウクライナをとおり黒海へとつながります。

その長さはおよそ2850キロメートルにもおよびます。日本一長い利根川の9倍近い長さです。

それほど長くさまざまな国を通っているドナウ川の中でも、ヴァッハウ渓谷は観光地として魅力的、さらにグルメなエリアとして知られており、ユネスコ世界遺産にも登録されているのです。

それではさっそく、ヴァッハウ渓谷の見どころを見ていきましょう。

1)ヴァッハウ渓谷の見どころ

* ドナウ川クルーズ

ヴァッハウを流れるドナウ川は、穏やかですが川幅が広く雄大な川です。渓谷という名のとおり、川は急勾配な山や緑に覆われた丘陵地に囲まれています。

そんなドナウ川の楽しみ方の一つに、ドナウ川クルーズがあります。

ドナウ川クルーズは、クルーズを観光目的で楽しむという以外に、ヴァッハウ渓谷の街から街への重要な移動手段にもなっています。

自然が織りなす渓谷美を楽しめることはもちろん、さらに傾斜地に広がるブドウ畑の景色も見どころのひとつです。

* ワインの産地

ヴァッハウは、オーストリアの主なワイン生産地の一つとしても有名です。

ヴァッハウエリアだけで215軒ほどのワイン農家があり、そのブドウ栽培の総面積は285ヘクタールもあります。

起伏に富んだ斜面に作られたブドウの段々畑の景観を、ぜひお楽しみください。

ワイン農家を訪れて、ワインを試飲しながら気に入ったワインを購入することもできますよ。

ヴァッハウ渓谷で作られたワインと一緒に、おいしいお食事もご堪能ください。

* 修道院・教会・城跡

ヴァッハウ渓谷の歴史は先史時代までさかのぼり、その後10世紀から中世にかけて、バーベンベルク家が権力を握っていた時代に、ヴァッハウのそれぞれの街は繁栄していきました。そのころに建設された修道院や教会、城塞なども見どころの一つになっています。

切り立つ山の丘陵地の上部にそびえる教会や城塞など、クルーズからも眺めることができます。また、ハイキングも兼ねて、高台にある城跡まで歩いて上ることもできますよ。

デュルンシュタインの城跡

* のどかな街並み

川や丘陵地の美しさだけではなく、ヴァッハウ渓谷にある街はそれぞれに趣があり、ぜひ散策したいところです。

中世のおとぎ話のような雰囲気のある石畳の道を歩きながら、小さなお店をのぞいて見るのも楽しいですね。

また、ヴァッハウはアンズの産地としても有名です。アンズを使ったお菓子やリキュールもお土産に探しながら歩いてみましょう。

デュルンシュタイン 石畳のメインストリート

2)ヴァッハウ渓谷はここにある!

さて、ヴァッハウ渓谷はいったいどこにあるのでしょう?

ウィーンにもドナウ川は流れていますが、車や電車で1時間ほど西側へ行くと、ヴァッハウ渓谷の東端の街、クレムスに到着します。

そこから、デュルンシュタイン、ヴァイセンキルヒェン、シュピーツ、メルクの街が広がっています。

ウィーンから公共交通機関を使って日帰りで訪れることもできますし、オーストリアを旅するバスツアーでは、ウィーンからヴァッハウ渓谷を観光しながらザルツブルグへ移動することもあります。

レンタカーなどを利用してお車で自由に移動ができる方は、ヴァッハウ渓谷の街に泊まってゆっくり観光することもおすすめです。

ではさっそく、公共交通機関を使って一緒にヴァッハウ渓谷の観光に行ってみましょう!

2 ウィーンから日帰りでヴァッハウ渓谷を観光しよう

まず、ウィーンから日帰りでヴァッハウ渓谷を訪れる場合に、観光できる街をご紹介します。

<クレムス Krems>

ウィーンからの列車が発着しており、比較的大きな街。
旧市街は、15世紀後半に作られた門が復元されシュタイナー門や教会、ミュージアムなどがある。歩行者天国のショッピングストリートが楽しめる。

クレムス

<デュルンシュタイン Dürnstein>

ヴァッハウの観光地として人気の街。
石畳のメインストリートはオーストリアの田舎町の雰囲気が堪能できる。小さなお店をのぞくのも楽しい。
川沿いにある修道院や丘の上にある城塞も有名。ワイナリーや優雅なホテルもある。

デュルンシュタイン

<メルク Melk>

ウィーンから列車でのアクセスが便利な街。
丘の上にたつ壮大なメルク修道院は圧巻。
広場を中心にかわいい街並みが広がっており、ホテルもある。

メルク修道院
Image by Leonhard Niederwimmer from Pixabay

ヴァッハウを観光する際に、気をつけなければいけないことがあります。
それは、公共交通機関や入場施設の運営期間です。

ドナウ川クルーズの運行は4月から10月、ローカル列車・ローカルバスの定期的な運行は5月から10月になります。3月半ばから4月は不定期運行(土日のみなど)、冬期は運休になります。

メルク修道院も1〜3月はクローズ、11月から1月と4月もガイドツアーのみでの参加になります。好きな時間に自由に入場できる期間は、5月から10月のみになります。

そのため、ヴァッハウ渓谷は実質、4月(制限あり)/5月から10月の間のみ観光が可能になります。

ウィーンから列車でクレムスだけを訪問する場合は、冬でも可能です。

では、夏のヴァッハウ渓谷を満喫できるルートを、ここでは2パターンご紹介します。

1)メルクとクレムスを訪問ーウィーン往復列車とクルーズだけで安心コース

ウィーンから列車に乗り、直通でメルクへ。
メルクの修道院を観光後、街中でランチ。ドナウ川クルーズでクレムスまで。
クレムスの町を歩いて観光しながら駅へ移動。
列車でウィーンへ戻る

ウィーン西駅(Wien Westbahnhof)発  9:18 – メルク (Melk) 着 10:21
*直通列車は、8:18/10:18発ー9:21/11:21着もあります。メルクの修道院をじっくり見たい方は、ウィーン発 8:18 メルク着 9:21でもいいですね。

メルク駅到着後、徒歩にてメルク修道院 (Stift Melk)へ。
歩いて5分ほどです。

メルク修道院 入場・見学 (5月〜10月 9:00-17:30 / 4月はガイドツアーのみ)
美しい教会やライブラリーなどの見学をお楽しみください。お庭の散歩も楽しいですよ。
どれくらい時間をかけるかはお好みによりますが、一般的には観光所要時間は1.5時間〜2.5時間ほどと言われています。

12:00 〜 13:15  メルクの町の散策とランチ
メルク修道院から街中へは3分ほどです。

13:50 DDSG社のドナウ川クルーズ メルク出発
町の中心から船着場までは、15〜20分ほどかかります。お時間に余裕を持って船着場を目指しましょう。

ドナウ川クルーズ メルク→クレムス

クルーズから、ブドウ畑や城跡、教会などの景色をお楽しみください。

15:30  クレムス船着場到着

クレムスの船着場から列車の駅まで、歩いて25〜30分ほどかかります。
旧市街を通って、ゆっくり観光しながら行きましょう。

船着場から20分ほど歩いて、シュタイナー門 (Steinertor) に出ます。
そこから旧市街に入ります。ドミニカ教会やクレムスミュージアムなどがあります。
歩行者天国のショッピングストリート Obere Landstrasseを通って、駅に行きましょう。

クレムス駅 (Krems an der Donau)からウィーンのフランツヨーゼフ駅 (Wien Franz Josefs Bahnhof)まで列車で戻ります。
所要時間は約1時間です。30分間隔で運行しています。
 クレムス駅発 15:52/16:22/16:52/17:22/17:52  
 ウィーン着     16:57/17:30/17:57/18:30/18:57

2)デュルンシュタインとメルクを訪問:ローカル線も使って満喫旅

ウィーンから列車に乗り、クレムスへ。
ローカル列車ヴァッハウ列車に乗り換えてデュルンシュタインへ。
デュルンシュタインを観光後、クルーズでメルクへ。
メルク修道院を観光して、列車でウィーンに戻る。

ウィーンフランツヨーゼフ駅(Wien Franz Josefs Bahnhof)発 8:00 – クレムス駅Krems)着9:08

クレムス駅で、ローカル線 ヴァッハウ列車(Wachaubahn)に乗り換え
ヴァッハウ列車のチケットは、携帯のアプリまたは車内で車掌が回ってきた際に直接購入できます。

クレムス発 9:18 – デュルンシュタイン(Durnstein)着 9:31

*ウィーンのフランツヨーゼフ駅7:03発、クレムス駅8:08着に乗ると、乗り換えまでの間にクレムスの街も散策できますね。ただし、歩行者天国のお店の営業は朝9時からになります。あるいは、クレムスを観光して、次のバッハウ列車 クレムス11:18 – デュルンシュタイン 11:31に乗ることもできます。

デュルンシュタイン駅

デュルンシュタインの街を散策

水色と白の尖塔が印象的な修道院をバックに写真撮影をして、石畳がかわいいメインストリートを歩きながら、お店をのぞいてみましょう。

山の上にある城跡までハイキング気分で上がってみるのもよし、おしゃれなホテル、シュロスデュルンシュタインのテラスで優雅にお茶やお食事を楽しむのもステキです。

ワインが好きな人は、デュルンシュタインの有名なワイナリードメーネヴァッハウを訪れ、ワインの試飲を楽しむこともできますよ。

デュルンシュタインからクルーズでメルクへ。
デュルンシュタイン発 11:30 –  メルク着 14:05 

船の中のレストランでお食事もできます。
デュルンシュタインでもっとゆっくり滞在したい方は、次の便もあります。
デュルンシュタイン発 13:40 – メルク着 16:05

メルクの街を散策し、修道院も見学しましょう。

メルクの修道院は、17:30 まで(最終入場は17:00)です。
修道院をゆっくり見たい方は、早い便のクルーズに乗りましょう。
クルーズ船着場から修道院へは、歩いて20分ほどです。

メルクの駅から列車に乗って、ウィーンへ戻ります。
メルク駅発 16:40 / 17:40 
ウィーン西駅 (Wien Westbahnhof)着 17:42 / 18:42 

*列車の時刻、クルーズの時刻は必ず直接サイトからご確認ください!

オーストリア国鉄 ÖBB 
DDSG ヴァッハウクルーズ 
ヴァッハウ列車 

公共交通機関を使うと、どうしても時間が限られてしまうのでゆっくり見れる場所が限られてしまいます。急ぎ足でも3つの街を訪問するのか、2つの街に決めてゆっくり観光をするのか、お好みで選べます。
個人的には、かわいい田舎街を堪能したい方にはデュルンシュタインがおすすめです。

3)ウィーンから日帰りの英語バスツアーに参加する

公共交通機関を使わなくても、ウィーンからの日帰りバスツアー(英語案内)も出ています。
残念ながら、日本語の案内はありません。

バスでウィーンからデュルンシュタインへ行き、観光。
それからクルーズに乗り、メルクの手前シュピーツで降りてバスに乗り換えてメルクへ(川の上りはクルーズ時間が長くなるため)。
メルクの修道院入場(入場有無はオプションで選べます)、フリータイム。
バスでウィーンへ戻る。

デュルンシュタインとメルクを散策でき、ドナウ川クルーズも楽しめます。

このバスツアーは、クルーズ抜きで冬期も運行しています。

Vienna sightseeing Tours社のサイトからご確認ください。

ベルトラVELTRAのサイトからも申し込みができるようです。

3 ヴァッハウ渓谷に宿泊して、ゆっくり満喫しよう

ヴァッハウ渓谷の魅力は、ほかにもたくさんあります。
時間をかけて観光する際は、下記もぜひご参照ください。

1) ヴァッハウ渓谷のホテル

クルーズが停まる街には、ホテルなどの宿泊施設があります。
ここでは、私のおすすめのホテルを3つご紹介します。

* シュロス デュルンシュタイン  
デュルンシュタインのメインストリートの高台に位置する古城ホテル
優雅な雰囲気を満喫できます。
レストランだけの利用も可能なので、テラス席でお茶を楽しんでもいいですね。

* リヒャルト レーヴェンヘルツ
中世の修道院であった場所がホテルに改築され、歴史的な趣が感じられるデュルンシュタインのホテル。緑あふれる庭園や野外プールも楽しめます。レストランの雰囲気もよく、お食事だけでも足を踏み入れたいところです。
ホテルの名前は、12世紀十字軍の遠征の帰りにデュルンシュタインの要塞に幽閉されたイギリスの王様の呼称 ”リチャード獅子心王” のドイツ語読みです。   

* ラッフェッルスベルガーホフ 
ドナウ川クルーズやヴァッハウ鉄道でアクセスできるヴェイセンキルヒェンのホテル。  
16世紀の船長さんの家がホテルに改修されました。赤い大きな屋根とアーチ型のドアが印象的なルネッサンススタイルの建物。ホテル内の装飾にも温かみがあり、心地良く滞在できます。
朝食のみになりますが、近くにレストランが数件ありますので、夕食も安心です。

2)ヴァッハウ渓谷でハイキング

ヴァッハウ渓谷では、ブドウ畑が広がる斜面を通ってハイキングが楽しめます。
ウィーンに住んでいた頃は、ヴァッハウでのハイキングにハマった時期がありました。

ここでは、おすすめのコースを3つ紹介します。

* ヴァイセンキルヒェン ー シュピーツ
   約10.5 km
   所要時間 約3.5時間

* クレムス ー デュルンシュタイン
   約12.5 km
   所要時間 約3.5〜4時間

* デュルンシュタイン ー ヴァイセンキルヒェン
   約17km
   所要時間 約6時間

ブドウ畑の横を歩いたり、森の中を歩いたり、さまざまな景色が楽しめます。

途中黄色い看板があるので、そちらの方向にそって進みます。

もくもくと森の中を歩いた先に、ドナウ川が見渡せる場所に辿り着くと、疲れも忘れて笑顔になってしまいます。

汗を流した後のワインとお食事もまた最高です!

宿泊先の街への移動には、バッハウ鉄道が便利です。

3) ヴァッハウ渓谷のワイン

ヴァッハウエリアの中でも、シュピーツ、ヴァイセンキルヒェン、デュルンシュタインはワイン生産地として有名です。

白ワインが主流となっており、その中でももっとも多く作られているブドウの品種はグリューナー・ヴェルトリーナーGrüner Veltlinerです。

この品種は、オーストリア全体でみても一番多く栽培されているブドウです。
軽やかで少しスパイスのような酸味があるのが特徴ですが、それでいて果実の味とトロピカルの風味が感じられるとてもおすすめのワインです。

グリューナー・ヴェルトリーナーの次に有名な品種は、リースリングRiesling です。
酸味とフルーティーな味わいが特徴です。

ヴァッハウエリアには特有のワインの区分方法があるのです。
アルコール濃度により3つに分けられます。

*シュタインフェダー (Steinfeder)
アルコール度数が11.5%までの香りが高い軽いワイン
白い花の穂がつく草の名称

*フェダーシュピール (Federspiel)
アルコール度数11.5〜12.5%までのクラッシックなワイン。
鷹狩りの時に用いる道具の名称

*スマラグド (Smaragd)
アルコール度数12.5%以上の力強い味わいのワイン
ヴァッハウのブドウ畑に出没するエメラルドのトカゲの名称

レストランのワインリストにも、これらの区分は記載されているので、気になる品種を試してみてくださいね。

興味ある方はワイン農家さんへも直接訪問して、そこでワインを購入してみましょう。

おすすめの場所を3つご紹介します。

ドメーネヴァッハウ Domäne Wachau
デュルンシュタインの街の中心地から歩いて10分ほどのところあります。
広大な畑を所有しており、多くのブドウ品種のワインがあります。
海外へも輸出しており、日本でも購入できます。
ワインセラーのツアーもあります(要予約)。

ヤメック Jamek
ヴァイセンキルヒェンの隣町、Jochingにあるワイン農家。
レストランも営業している(ランチのみ・要営業時間確認)ので、お食事の時に自家製ワインを注文してみるといいですね。気に入ったら購入することもできますよ。

ホルツアプフェル Holzapfel
ヴァイセンキルヒェンの隣町、Jochingにあるワイン農家。
ピンクの大きな水玉が描かれたかわいい建物です。
おしゃれな雰囲気のレストランと宿泊施設もあり、優雅な気分に浸れます。

ヴァッハウ渓谷は魅力満載なので、また長い記事になってしまいました。
お付き合いいただきありがとうございました。

オーストリアへ行かれる際には、ぜひヴァッハウ渓谷へも足を伸ばしてみてくださいね!

ABOUT ME
もわりー
もわりー
日本→ウィーン15年→現在ロンドン在住です。
書くこと・なにかをつくり出すことが好きです。

記事を読んでいただいた方をステキな旅へと案内できたら、そんな思いで書いていきます。

どうぞよろしくお願いします。
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