11) ダイアナ妃 1 ー 英国王室ドラマ『ザ・クラウン』から学ぶ Season 4

もわりー

Netflixで製作された英国王室ドラマ『ザ・クラウン』を見て、この人はどんな人だったの? 紹介されている出来事についてもっと知りたい、これは本当のこと? など気になったことについて史実を調べながら記しています。

エリザベス女王がフィリップ殿下と結婚するシーズン1から始まったこのドラマ。今回からシーズン4に入ります。

シーズン4から王室に新たな主要人物が登場します。はい、ダイアナ妃です。

世界中から愛され、若くして悲劇の死を遂げた美しきプリンセス。

どのように王室と関わるようになり、王室でどのような生活を送っていたのか、シーズン4で描かれるダイアナ妃について見ていきましょう。

1 ダイアナとチャールズとの出会い

シーズン4第1話の冒頭で、エリザベス女王がフィリップ殿下、アン王女、マウントバッテン卿と一緒にチャールズの恋愛について話しています。シーズン3ではチャールズが親しくしていた女性、すでに婚約者がいるカミラ・シャンドとの結婚を王室側は反対し、カミラは婚約者のアンドルー・パーカー・ボウルズと結婚することとなりました。

チャールズ皇太子のお話はこちらをご覧ください。

英国王室ドラマ『ザ・クラウン』から学ぶ英国   10)チャールズ皇太子 Season 3

その後、エリザベス女王たちの会話にも何人もの女性の名前が上がったように、チャールズは複数の女性たちと交際をしていたようです。

そしてドラマの中で、チャールズはサーラ・スペンサーと交際していると聞いたエリザベス女王が、「ジョニーの娘さん? いいじゃない」と発言しています。

そのサーラ・スペンサーは、ダイアナのお姉さんなのです。

チャールズがオールソープの屋敷にサーラを訪ねると、サーラがチャールズのそばを離れたすきに、木の妖精の格好をした幼いダイアナがチャールズの前に現れます。これが初めての出会いでした。かわいらしい妹さんという印象だったのでしょう。

チャールズがサーラ・スペンサーと交際しており、その時にダイアナにも会ったことがあるということは事実のようです。その頃のダイアナはまだ16歳という子供でした。チャールズも恋愛感情を抱くことはなかったようです。

ドラマでは、それからチャールズのことを息子のように慕っていたマウントバッテン卿が亡くなる事件が描かれます。そして、傷心のチャールズの前に再びダイアナが現れるのです。マウントバッテン卿の葬儀で立派に弔辞を読んだチャールズに、心からのお悔やみを伝えます。その時、チャールズはダイアナの存在を意識するようになったのです。

チャールズはサーラに電話をし、サーラの結婚式には出席できないと伝え、ダイアナのことを探ります。チャールズとサーラは結婚まで進展しなかったということですね。

サーラにダイアナの連絡先を聞いたチャールズは、ダイアナをデートに誘い2人で会うようになります

そして、第2話ではその先が描かれます。夏をスコットランドのバルモラル城で過ごすことが恒例の王室家族ですが、そこにダイアナを招待します。既婚で母親となっているカミラがチャールズの誘いを断り、ダイアナを誘うように彼女が示唆したという経緯によるものでしたが。

ダイアナはそこで見事ロイヤルファミリーのみんなに気に入られ、家族はチャールズにダイアナと結婚するようにけしかけます。けれどドラマで描かれていたチャールズの心の中は、カミラのことでいっぱいの様子でした。

バルモラル城 Siggy NowakによるPixabayからの画像

実際、マウントバッテン卿の死に心を痛めているときにダイアナと再会し、ダイアナの言葉に心を動かされダイアナと親しくなったという事実はあるようです。

2 ダイアナ・スペンサー家と王室の関係

エリザベス女王たちの会話の中にダイアナの姉であるサーラ・スペンサーが話題にでた際、女王が「ジョニーの娘?」と言ったように、もともとスペンサー家と王室との間に繋がりがあったことがうかがわれます。さらに、その後ダイアナが王室を訪れるとそこにダイアナの祖母ルースが登場しました。この2人について見てみましょう。

*エドワード・ジョン・スペンサー

ジョニーとはダイアナの父親、第8代スペンサー伯爵 エドワード・ジョン・スペンサーのことです。彼はジョージ6世とエリザベス女王(2世)に仕えていた時期があり、エリザベス女王はこのエドワード・スペンサーとファーモイ男爵家の令嬢フランセスとの結婚式にも出席しているのです。

結婚当初スペンサー家は、エリザベス女王のノーフォークにあるサンドリガム邸宅近くのパークハウスに住んでいました。元々王室によりサンドリガムへのゲストハウスとして建てられた屋敷でしたが、ダイアナの母方の祖父であるファーモイ卿に貸し出されていました。そして、ファーモイ卿の死後、ダイアナの両親がその家を譲り受けたのです。

ダイアナは1961年7月に、そのサンドリガムのパークハウスで誕生しました。1975年エドワード・スペンサーの父アルバート・スペンサーが亡くなり、ダイアナの父親エドワードがスペンサー伯爵位を継承し、スペンサー伯爵の本家オールソープ邸へ一家で引っ越すまで、そこで暮らしたのです。

ダイアナは、2人の姉と弟と一緒に、緑に囲まれた長閑なサンドリガムの田舎で育ちました。しかし、やがてダイアナの両親は不仲になり、母親のフランセスがロンドンで別の男性の元で暮らすようになりました。ダイアナの母親は田舎暮らしより、都会での刺激的な生活を好んだためと言われています。そして、ダイアナがまだ6歳の時に両親は離婚してしまったのです。母親の不倫が原因の離婚となったため、親権は父親のエドワード・スペンサーにありました。けれど、母フランセスはピーター・シャンド・キットと再婚をしてからも、ダイアナたち子供たちに会うことを非常に楽しみにしていたようです。

*ルース・ロッシュ ー ファーモイ男爵夫人

次に、ダイアナの祖母ルースについてです。

ダイアナの母方の祖母、ファーモイ男爵夫人であるルース・ロッシュは、エリザベス女王の母親であるエリザベス王太后(クイーンマザー)の女官として仕えていました。ファーモイ男爵がジョージ5世国王と親しくしていたことで、王室との関係が築かれていたようです。

『ザ・クラウン』シーズン4第2話でダイアナがチャールズと一緒にオペラを見にいく時の付き添いとして登場し、その後バルモラル城に招かれた時にも『おばあちゃん、こんにちは』と挨拶をしています。

そして、第3話ではチャールズと婚約した若きダイアナに、バッキンガム宮殿で王室での作法をはじめ歴史・階級などを教える役回りとして、祖母であるファーモイ男爵夫人が選ばれています。

実際にダイアナに王室でのしきたりを伝える教育係となっていたのかどうかはわかりませんが、祖母としてクイーンマザーの近くでダイアナをどんな気持ちで見守っていたのでしょうか。

3 チャールズとダイアナ 結婚生活

1981年7月29日セントポール寺院でチャールズ皇太子とダイアナの結婚式が行われました。チャールズ皇太子は32歳、ダイアナはまだ20歳になったばかりという若さでした。

美しい花嫁を一目見たいとばかりに、沿道にはたくさんの人々が集まりました。真珠で模様を描いたダイアナのシルクのウェディングドレスは、王室史上最長と言われる8メートルもの長さのトレーン(裾)を伴うもので、世界中から注目を浴びました。

どれだけ幸せな気持ちにあふれた結婚式だったことか・・・ と思いたいところですが、『ザ・クラウン』では、カミラへの想いが残る切ないチャールズ皇太子とそのことを知ってとても悲しそうなダイアナ妃が映し出されるのです。

第4話では、エリザベス女王が4人の子供たち1人ずつとそれぞれ昼食をともにしながら話を聞くというストーリーが描かれます。チャールズとは、ハイグローブで会います。ハイグローブはダイアナと結婚する少し前の1980年にチャールズが購入したコッツウォルズ近くにある私邸で、チャールズのお気に入りの家です。自分の理想の庭を作ると意気込んで話すチャールズですが、妊婦であるダイアナは具合が悪いと言って出てきません。チャールズの話では、ダイアナとチャールズは興味や趣味が異なり、ダイアナは田舎育ちだと言うけれど、ハイグローブが好きになれず部屋にこもってばかり。そして、ハイグローブの近くに住むカミラとチャールズは、いまだに電話で話をする仲だと聞いて、エリザベス女王は怒ります。もっと身重の妻を思いやり、未来の子供たちのことを心配しなさいと。

そして、1982年に長男のウィリアムが誕生します。

第6話では、1983年ボブ・ホークがオーストラリアの首相になった際の、チャールズとダイアナの公式訪問の話が描かれます。不仲の2人も、かつてのエリザベスとフィリップのようにオーストラリアの外遊を一緒にこなせば仲が深まるのではないかと女王は考えたのです。ダイアナは周囲の反対を押し切って幼いウィリアムを一緒に連れて行くと言い張り、異例の子連れ外遊でわがままぶりを発揮、チャールズとの喧嘩も絶えません。しかし、チャールズと話し合いの結果、オーストラリアで2人はお互いに心を開き幸せな時間を過ごします。そして、オーストラリアの各地で大勢の観衆が集まり、皇太子夫妻は大人気となるのです。実際、その人気は圧倒的にダイアナに向いていました。

元々オーストラリアに英国の国家元首が置かれていることに反対していたホーク首相は、今度こそオーストラリアが独立するチャンスだと思っていました。しかし、この国民のダイアナへの熱狂ぶりに、英国君主が歓迎されている状況を認めないわけにはいかなくなり、ダイアナのおかげで英国君主は安泰だということをチャールズに告げるのです。

そして、チャールズはそのことに嫉妬し、ダイアナと口論となり、結局ロンドンに戻ってもハイグローブとケンジントン宮殿という別々の家に戻ることになります。

1984年にダイアナは次男のハリーを出産します

この頃から、チャールズはハイグローブでカミラと不倫、ダイアナはケンジントン宮殿で乗馬インストラクターのヒューイットと不倫をして過ごすことが多くなったようです。

第9話では、チャールズの37歳の誕生日にロイヤルオペラハウスでダイアナがサプライズのダンスを披露します。チャールズに喜んでもらいたいと思って仕組んだことだったのですが、これも実際は観衆にダイアナの魅力をアピールしただけの形となり、チャールの逆鱗に触れてしまいます。

ダイアナは、子供の頃から勉強よりもダンスが好きで、ダンサーを目指していたそうですが、背が高くなりすぎて諦めたそうです。チャールズとはそのダンスの魅力を残念ながら分かち合うことができなかったのですね。

その後、夫婦でスイスへスキー旅行へ行った際にチャールズの友人を雪崩で失います。その事故に衝撃を受けたチャールズは、カミラと正式に一緒に夫婦として生きたいと思うようになります。一方で、ダイアナはチャールズを失いたくないと感じ、夫婦としてやり直したいと思うのです。ヒューイットと別れてチャールズと向き合う決意をしたダイアナですが、チャールズは電話に出ることもなく、無視を続けます。そして、ダイアナは寂しさに絶えられなくなり、再びヒューイットとの関係を再開してしまうのです。

チャールズはカミラとの関係をやめず、ダイアナはヒューイットと不倫。夫婦仲は破綻していますが、シーズン4の最終話では、さらに2人の険悪さが募り、お互いに離婚を望みます。しかし、チャールズは女王から、ダイアナはフィリップ殿下からそれぞれ、この王室で夫婦をやめることはできない、婚姻関係を続けるしかないのだと諭されるのです。

切ない話です。

こうして、シーズン5・6へと続いていきます。

英国王室ドラマ『ザ・クラウン』から学ぶ 14)ダイアナ妃 Season 5/6


英国王室ドラマ『ザ・クラウン』から学ぶ シリーズ

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もわりー
もわりー
日本→ウィーン15年→現在ロンドン在住です。
書くこと・なにかをつくり出すことが好きです。

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